中古住宅の購入前の選定に同行して綺麗にリフォームしてある物件をみることがあります。
中古物件として、売却前提のリフォームなので、とりあえずは綺麗にする という感じです。
もちろん、それまで生活してきたので内装や設備はそれなりに汚れて痛みます。
なのでそのままでは、売りにくいと考えるのは当然わかります。
そこで美しくしてより早く売却したいと思われるのでしょう。
でも購入する側から見るとどうなのか。
中古住宅を求める購入者の多くは、
自分流にリファインして住みたい! ということです。
なのに購入者にまったく好みの合わない、ただ単に綺麗な部屋では購入側としては
魅力になりません。
魅力どころか、余計なリフォームで費用がかかって売却金額を上げている。
と思われかねません。
購入者の求めることは
いかに維持管理に気を付けてこられたのか。これがポイントです。
買主としては、自分好みでないリフォームなどに中途半端な費用をかけてもらうのではなく、
売却に備えてとりあえず綺麗にしましたなどの、やっつけリフォームではなく、
日常管理の履歴をしっかり言える家に価値を求めます。
空き家とは誰も住んでいない住宅やマンションのことですが、これは誠にもったいないですね。
家は誰も住まいないと、傷み早くなるといいますが、そのとおりです。
親が亡くなり、相続した家だけれど・・・
ひとり暮らしの母が介護施設に入所せざるを得なくなった・・・
空き家になる理由がこのパターンが多いと思います。
核家族化が進んだ結果、子世帯は自分たち家族の家を分譲住宅という住宅大量生産のしくみに乗り
親の住まいから遠く、いや近くても離れて分裂し将来の空き家の元を造り続けている
というのは言い過ぎですが、だれも住まない家は風通しが悪く、雨戸や窓は閉め切った状態で、設備機器は作動することなく
水道管の中の水は止まったままで、バルブをあけておいても通水しないと死に水となり、古い水道管にはダメージを与えます。
排水管も排水が流れてこないとトラップの封水がなくなり、小動物が下水から入り込みやすくなります。
給湯器も長い間、作動しないと水が入った状態がつづき金属腐食の原因となります。
空き家に担保が設定されて負債があるわけではない・・・ でも 固定資産税は払い続けている。
いずれ子供が成人すれば住むかもしれない。だからとりあえず所有しておこう。
相続した家で共有名義の兄弟がいるから勝手に利用できない。
このような方が大変多いと思います。
でも将来子供が住むかどうかわかりません。
勝手に利用できないのは当然ですが、放置していてもなにも変わりません。
使わない建物なので水道、電気、ガスはキャンセルできます。 使用停止という形で。
でも、固定資産税はキャンセルできない。税金ですから。
相続する時点で、すぐに空き家となる家の活用を考えるのはそう簡単ではありません。
先代が亡くなられたのにすぐに、遺産整理することは気分的にはばかる方もおられます。
法定相続人の確定 遺産分割協議の開始や相続放棄の手続きは3ヶ月以内が期限となっていて
亡き先人を想い静かに過ごしていると、いつのまにか100日を過ぎています。
遺産相続手続きをしないで100日を過ぎれば、あとは遺産分割協議となり、負債までそのまま相続となります。
もちろん借り手もあまりなさそうな土地と家だけ相続しない ということはできません。
相続前に、ある程度の方向性を決めておくことが肝要かと思います。
すでにお持ちの家で現在時点で空き家になっていたとしたら
負の不動産をなんとかしたいとお考えでしたら、はやく貸すか売却するかです。
世の中の13パーセントの住居用家屋が空き家となっている今、
これから空き家はますます増えてくるでしょう。
西川真悟建築設計 一級建築士事務所
〒520-0528 滋賀県大津市和邇高城270-14
Tel: (077) 594-0008 Fax(077)507-6762
メール: shingo.nishikawa@za.ztv.ne.jp