大東亜戦争の開戦より少し前に、京都からこの地に移築された建物は
お寺の移築とされ、構造は石端建てながら、上品なたたずまいの古民家です。
建物には襖絵をはじめ、欄間 板絵障子 床の間など 随所に
年代を感じる工芸美術がみられるお住まいです。
ー襖絵ー
移築時から普通に襖として使われていた
戸襖を解体して新たに壁画として
居間と和室に展示しています。
-梅の間-
和室の内側に面する障子の板絵は梅の絵図にしてあります。古い板絵なので、筆にて水洗い洗浄しました。
-欄間-
間仕切りの建具上に昔の欄間を改造して、以前に雪見障子で使われていたガラスを再カットして挟みこんでいます
-LDK空間-
建物の中心に居間 寝室 個室から35㎡以上のLDKにつながるよう
プランニングしました。
ー平屋ー
平屋のリノベーション
ワンフロアの階段のない空間で、日常生活が完結できる平屋はいいものです。
ー焼板ー
外壁は焼いた表面にクリヤー塗装を施し
耐久性を向上してあります。冬の気温低下にも強い外壁の自然素材です。
ー引手ー
絵柄が美しい引手は依然の襖から取り外して再利用しています。
-板絵-
以前の雪見障子は全て分解して、板絵と不陸ガラスは再利用して新しい建具に入れ込んでデザインしました。
ー玄関ー
玄関入ってすぐに手洗できるように
洗面台を少し奥まって設置しています。
鏡でお出かけ前の姿を確認できます。
ー掛け軸ー
横井小楠の肉筆による書
ー床柱ー
建物の一部に使われていた杉の古木を
加工して曲りのある床柱にしています。
大津市 南小松 襖絵の家
敷地の中を比良山系の清流が絶え間なく流れ
水のせせらぎの音や野鳥のさえずりが心地良い。
小高い位置にある現場からは琵琶湖や対岸の風景が木々の間から
垣間見ることができます。
釈迦岳 堂満岳の麓に位置するも、国道161号やJR近江舞子駅にはほど近く
1.5キロメートルほどの場所です。八幡神社の側道を通り抜け、比良山系を仰ぎ見ながらの現場に向かう道は
木々の間の小道は住宅地の喧騒などほど遠い、雰囲気はまるで高原の森の別荘地のようです。
湖西地域は駅に近いながらも静かな住宅地が多くみかけますが
この敷地は格別に自然を満喫できる住まいです。
今回のリノベーションには耐震性の向上を基本に、
石場建ての特徴を壊さず、構造補強を施しました。
断熱性を上げ、日常の快適性を動線と共により過ごしやすくなるよう設計しました。
厳かな雰囲気の中に広々とした境内は明るく南小松の集落を見渡す場所にある
八幡神社です。
今回の現場のすぐ近くにあり、ほぼ毎日現場にいく道すがら前を通行していました。
西川真悟建築設計 一級建築士事務所
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